日常グルーヴ

毎日を軽やかに過ごすための雑記ブログ

「冬の本」と「終わらない夜」を理想の環境で読みたい

前回も「冬の本」ネタだったので、まだ読んでいない方はこちらを先にどうぞ。

 

www.monarika.com

 

「冬の本」の中では、私が大好きなクラフト・エヴィング商會の番頭にして作家の吉田篤弘氏によるページが心に残る。

 

 

冬の本

冬の本

  • 作者: 天野祐吉,佐伯一麦,柴田元幸,山田太一,武田花,友部正人,町田康,安西水丸,穂村弘,堀込高樹,ホンマタカシ,万城目学,又吉直樹,いがらしみきお,池内紀,伊藤比呂美,角田光代,片岡義男,北村薫,久住昌之,装丁:和田誠
  • 出版社/メーカー: 夏葉社
  • 発売日: 2012/12/12
  • メディア: 単行本
  • 購入: 1人 クリック: 63回
  • この商品を含むブログ (45件) を見る
 

 

84人目最後のページの書き手だ。

 

「本および書物と称される一切は、これすべて冬に属する。」

「本が発明されたのは、冬の日々の反復に耐えるための文字どおりの「暖炉」の役割としてで、それ以外の目的用途は、じつのところおまけである。」

 

これを吉田氏は最後に出鱈目なんておっしゃっているが、なんのなんの素晴らしい名文である。
たとえば「今日は帰宅したら暖かい部屋で熱いコーヒーいれて、じっくり読書しよう」って予定をたてるだけでワクワクしないだろうか?

なんならお気に入りのスイーツやお酒もお供にしようってなれば、ひたすらそのために一日頑張れる。

外は寒い、部屋は暖かくて快適。インドア派の私には、楽しめるものは本をはじめ家の中に全て揃っているのだから、家から一歩も出ない冬篭りもOKである。

一日で一番の至福を感じるのは寝る直前の読書タイムだ。日記を付け終わり、あとは寝落ちするまでベッドで横になって本を読む。疲れる日が続くと、同じページを何日もかけて読むことになるのは仕方がない。(毎晩3行読んだら意識が無くなるとかね)

 

f:id:monarika:20180307173234j:plain


ずっと前のテーブル・ウェアフェスティバルから。
お一人様用の膳で、夏っぽいけどおしゃれにゆったりと、こんな環境で本が読めたら最高だ。

 

 

f:id:monarika:20180307173235j:plain


ワインにはチーズというマリアージュ。
私ならあとはポテトチップが欲しいところかな。

冬ならチーズ・フォンデュしながらの読書にもそそられる!
ここまで揃えてしまうと、読書VS映画鑑賞になりそうな気がするのだが・・・

 

 

 冬になると読みたくなる絵本がある。

  

終わらない夜

終わらない夜

  • 作者: セーラ・L.トムソン,ロブゴンサルヴェス,Sarah L. Thomson,Rob Gonsalves,金原瑞人
  • 出版社/メーカー: ほるぷ出版
  • 発売日: 2005/08/01
  • メディア: 大型本
  • 購入: 7人 クリック: 47回
  • この商品を含むブログ (20件) を見る
 

 表紙の湖の絵がだまし絵になっているのがおわかりだろうか。

水面に映った木々の間が白い服の女性になり、岸に上がってくる!キャー!

カナダ生まれのロブ・ゴンサルヴェス描くシュールレアリスムな絵に想像力を刺激された、作家のセーラ・L・トムソンが短い詩を添えて完成した、夜をテーマにした絵本である。

どのページも幻想的なだまし絵で、中にはゾッとするものも。

特に好きなページが裏表紙の降り積もった雪がベッドになり、人が眠っている絵だ。

街灯に照らされた雪のベッドが無数に並ぶ。

雪のベッドモチーフはもう一つあり、こちらは少し怖い。

 

想像してごらん・・・

夜、雪のシーツが

かたく、冷たい。

だれかささやく。

「ついてきて」

 

 

こちらのページも好きだ。

部屋の中で暖炉を前に集う家族。

お母さんらしき女性が本を片手に物語を読み聴かせている。

恐ろしい内容なのか、子供達は少しおびえている。

座っている木の床がいつの間にか森の木々に変化していく様子が描かれている。

 

夜、ことばとことば

木と木のあいだへ

迷いこんで

やみ夜の散歩。

 

この画家はルネ・マグリットやレメディオス・バロに影響を受けたとのことで、確かに全体にそのような印象を受けた。

どちらも私の大好きな画家なので、この絵本はモロ私好みということになる。

 

最後に、上記の表紙の絵についている詩も紹介しておこう。

 

夜、月の光が

水面をてらす。

かすかにきこえる

だれかのあしおと。

 

 訳詩もひっそりとして夜にふさわしい。

何度見ても飽きない絵本なので、幻想好きな方にお勧めしたい。