日常グルーヴ

毎日を軽やかに過ごすための雑記ブログ

「ベルギー奇想の系譜」でますます奇想にハマる

好きな絵画のジャンル

 ポール・デルヴォー、ルネ・マグリット、ジャン・デルヴィル、フェルナン・クノップフ・・・

私は ベルギーの画家が好きだ。

というか、象徴主義に見られるような幻想的な絵画、あるいはシュル・レアリスム系が好きなのだ。

子供の頃は家にあった画集から、それらの絵画を観てはうっとり想像の世界に遊んでいた。

本当にこんな世界があったのかもしれない、と思わせる写実的な描写がポイントで、例えばダリの「内乱の予感」など、幼心に一番衝撃を受けた絵画だった。

 

 

奇想の絵画が渋谷にも来ていた

  現在渋谷のBunkamuraザ・ミュージアムで「ベルギー奇想の系譜」の展覧会が開催中である。

「奇想」は、先日の上野で鑑賞したアルチンボルトでも使われていたワードではないか。

 

www.monarika.com

 

「奇想」と聴いてはだまっていられないので、久しぶりに文化村まで出かけたのである。

吉祥寺から渋谷だと、京王井の頭線直通一本だからすごく行きやすい。引っ越す前は上野が行きやすかったけど、今は渋谷が近くてよく行くようになってしまった。

 

f:id:monarika:20170830131737j:plain

会場に下りるエスカレーター前に貼ってあったポスター。

たらいに突っ込んだ鼻からコインが流れて人間がもがいている・・・

これを観て興味を惹かれないはずがない。

一見ヒエロニムス・ボスの絵だな、と感じる。

実際は「トゥヌグダルスの幻視」というヒエロニムス・ボスの工房で制作された絵画だそうだ。

地獄における「七つの大罪」と対応する懲罰の描写で、七つの原罪の様子がコンパクトに表されているのだ。

 

 

フランドル画家のボスとブリューゲル

 ボス(Bosch)とは「快楽の園」で有名なフランドル地方の画家だ。(ボスよりボッシュよ呼びたい・・・)

フランドルとは現在のベルギーあたり(ネーデルランド南部)にあった地方で、この企画展ではボスの影響を受けて作品を制作したフランドル画家(ボス派とか模倣者とか追随者とも言われている)も取り上げているので、いかにも「これボスだろ!」というものがたくさん展示されているわけなのである。(模倣者、追随者はアルチンボルド展でも幅を利かせていたっけね。)決して「マネ」「パクリ」とは言ってはいけない。すべて「オマージュ」で解決!って思わないこともない。

また、ボスに影響を受けたとされるピーテル・ブリューゲルも同じフランドルの画家で、今回はの原画を下に制作された版画が多数展示されていて興奮した。

ブリューゲルはいつだったか展覧会を観たことがあったが、ボスの影響を受けていたことは今回初めて知ったことだ。特にボスの絵画に登場する奇妙でキュートな怪物達のようなものがブリューゲルも版画(原画)に登場させている。「七つの大罪」シリーズなど、笑えるほどボスの影響受けまくり!いいのかブリューゲル!

そしてかのルーベンスの版画があったことにも驚いた。

あのルーベンスが版画(原画)も制作していたなんてちょっと意外であった。「フランダースの犬」の最後でネロ少年がどうしても観たかった「キリスト降架」の絵画も原画は版画になっているそうで、ネロが教会で、天に召される直前に遭遇したのが白黒の巨大版画だったのなら、彼は死ななかった、いや死ねなかったのではないか?「パトラッシュ、僕眠気が吹っ飛んだよ!帰ろ!」とかね。

 

 

フランドル絵画の後に来るのが、いきなり19世紀から20世紀初頭のベルギー象徴派と表現主義のエリアだ。

ここにはフェリシアン・ロップスとフェルナン・クノップフの作品が多く展示されている。この二人名前の感じが似過ぎ・・・

クノップフは私が愛するラファエル前派のような退廃美を感じるから好きなのだ。

ジャン・デルヴィルは初めて観たのは、やはり画集でそれは「オルフェの死」だった。その美しさに圧倒されたのだが、「サタンの宝」のような激しい作品があったり、ドーンと「スチュアート・メリル夫人」のようなホラーなものがあったりと、バラエティ豊かで好きだ。この展覧会では「レテ河の水を飲むダンテ」の色彩の美しさが、まるで萩尾望都のカラーのようで思わず見入った。(あくまで個人の感想です)

 

おお、アンソールもベルギーの画家だったのか。

子供の頃から画集で観て知っていたが、仮面シリーズの絵が怖かったな~

 

そして20世紀のシュルレアリスムから現代までのセクションだ。

ここには自分にはすっかりおなじみのデルヴォーとマグリットがいる。

マグリットの展示作品は全て日本国内の美術館所蔵のものだ。

日本人はマグリット好きだからね~

代表作「大家族」が国内にあるとは嬉しいではないか。(展示されていた「前兆」も好き)

 

絵画以外でも現代美術の展示もあり、中世から現代作品までくまなく楽しめる内容だ。

 

この展覧会は作品保護の為に、室内温度が低く設定されているので入り口で羽織れるものを借りることができる。

私は借りずに入場したが、さすがに途中で震えた・・・

 

この展覧会は9月24日(日)までです。

 

 

まだあった

 企画展を満足して観終えた後、入り口近くの無料ギャラリーでこういうものの展示があったので入ってみた。

 

f:id:monarika:20170830131738j:plain

「世にも奇妙な絵画たち」・・・

うわーい!モロ好み!

早速入ってみたら、どの作品にも値段が付いていた。

展示即売会?

そうしたら私の好きな中井英夫の「幻想博物館」の挿絵を描いていた建石修志の作品があって感動してしまった。鉛筆画の挿絵しか知らなかったけど、美しい色彩の立派な絵画であった。

 

こうして奇想幻想に彩られた、幸せな一日が終わったのである。

 

 

 

本日の収穫

 

f:id:monarika:20170830131736j:plain

ポストカード3枚と、「イラストで読む奇想の画家たち」の本。

本で取り上げているのは、ボス、デューラー、カラヴァッジョ、ゴヤ、ブレイク、ルドン、ルソーと好きな画家がズラリ。